トーナメントでは、失うチップを重く見て、チップを「何 BB 分か」で数えればいいの?
答えはこうです。リングゲームとの違いは、大きく3つです。
- チップの価値:持っているチップの方が、これから勝つチップより価値が高い。全部失う勝負には慎重に
- 途中で抜けられるか:トーナメントは 抜けられません
- ブラインドが上がるか:同じチップでも ビッグブラインド何個分(BB)か が減り、「オールインか降りるか」に寄っていきます
同じチップのままだと、どうなるの?
チップが 10,000 のまま、ブラインドだけが上がったとします。
- ブラインド 100/200 のとき:10,000 ÷ 200 = 50BB(まだ余裕がある)
- ブラインド 1,000/2,000 のとき:10,000 ÷ 2,000 = 5BB(オールインか降りるかしか無い)
だからトーナメントでは、チップを 何 BB 分か で数えます。
ほかに違うことは?
- アンティがある → リングゲームより 広くオープンしてよい
- 入賞の直前 は、同じ手・同じチップでも答えが変わる
アンティがあるとき、どの席でも同じだけ広げるの?リンプで入ってもいいの?
どの席でも広げてよく、後ろの席ほど大きく広げます。 ビッグブラインドの人も、相手のオープンを もっと守ってよく なります。
広げて増えた手も、リンプ(ビッグブラインドと同じ額を入れるだけ)ではなく、レイズで入ります。 増えた手だからといって、弱気に入るわけではありません。
何を覚えればいいの? 丸暗記でいいの?
基本は丸暗記でいい です。覚えるのは5つだけ。
- トーナメントでは、失うチップは、勝つチップより重い
- トーナメントは 途中で抜けられない。チップが無くなったら終わり
- トーナメントでは、チップを 何 BB 分か(チップ ÷ ビッグブラインド)で数える。減ってきたら、オールインか降りるか
- アンティがあるときは、広く入る(後ろの席ほど広く。入るときはリンプせず、レイズで)
- 入賞の直前は、答えが変わる(人のオールインへのコールを絞る)
読みたい人向け:なぜこの基準なの? 出典は?
リングゲームとトーナメントの違いを、表で並べると?
| 違い | リングゲーム | トーナメント | 出典 |
|---|---|---|---|
| チップの価値 | チップはお金(またはお金の代わり)そのもの。チップとお金は比例する | 持っているチップの方が、これから勝つチップより価値が高い。チップとお金は比例しない | [PB9][P31][P9][P30] |
| 途中で抜けられるか | ハンドの合間なら、好きなときに入って・抜けて・足せる | 途中でチップをお金に替えられない。無くなったら終わり | [P30][P29] |
| ブラインドが上がるか | ブラインドとアンティはずっと同じ額 | 時間(かハンド数)で上がっていく | [P30][P29] |
チップの価値が違うのは、なぜ?
- トーナメントの賞金は順位で決まります。残りの賞金の中で、それぞれのチップの量がどれだけの賞金の見込みになるかを考えると、持っているチップの方が、これから勝つチップより価値が高い ことになります [PB9]
- これを計算する考え方を ICM(Independent Chip Model)と呼びます。3人が残ったとき、チップの半分(50%)を持つ人の賞金の見込みは、チップの割合で分けた額の約90%しかなく、ほかの2人は約110%になります。チップとお金は比例しません [P31]
- リングゲームでは、この考え方は当てはまりません [P9]
BB の数が減ると、なぜオールインか降りるかになるの?
- チップが 約10BB 以下 になると、オールインか降りるか(プッシュ/フォールド)で決めるのが基本になります [PN9]
- 線は資料で少しずつ違いますが、おおむね 10〜15BB 以下、約12BB 以下ではほぼ必ず 切り替えます [P9][PB9]
- リングゲームはブラインドが一定なので、BB の数がひとりでに減ることはありません [P30]。オールインか降りるかの表も、リングゲームには持ち込みません [P9]
- 上の 50BB・5BB の例は、チップ ÷ ビッグブラインド で出した値です((出典なし)この教材の計算)
アンティがあると、なぜ広く入っていいの?
- アンティがあると、誰も動く前からポットが大きくなります。そのぶん、奪いに行くオープン・ビッグブラインドの守り・オールインが広がります [P34]
- トーナメントでは、アンティがあるので、リングゲームより広くオープンします [P36]
アンティがあると、なぜ後ろの席ほど広がるの?なぜリンプではなくレイズなの?
- ビッグブラインド・アンティは、卓の人数によらず 1BB です。Poker Academy の例(9人卓・20BB)では、アンティがあると「どの席もオープンが広がり」、その効き目は ブラインドに近い席(後ろの席)ほど大きく なります。ボタンのオープンは約33%から約42%の手に広がります [P35]
- 同じ例で、ビッグブラインドが相手のオープンに降りる割合は約33%から約16%に下がります。ポットにもう入っているチップが多いぶん、ビッグブラインドはもっと守る ことになります [P35][P34]
- PokerSkill は「広い=弱い、ではない(Wider is not weaker)」とし、アンティで増えた手も リンプせず、レイズで入る としています [P34]
- 広がる割合の数字は資料の例です。判定クイズでは「広がる?狭まる?」「リンプ?レイズ?」の向きだけを問います((出典なし)この教材の決め方・定義ノートの 3-2・BL-1520 ⑤)
入賞の直前で、なぜ答えが変わるの?
- 入賞の直前では、飛ぶ(チップが無くなって大会から抜ける)危険を負うのはコールする側 なので、コールには前より高い勝率が要ります [PB9]
- 序盤に 60BB で明らかに良いオールインが、入賞の直前では「降りる」になりえます [PB9]
コラム|会計士が世界一になった年
2003年の世界大会(WSOP)のメイン・イベントで優勝したクリス・マネーメーカーは、当時は会計士として働いていて、しかもこれが初めての、実際の卓で打つ大会だった、と伝えられます。この優勝のあとの盛り上がりは、新聞などで「マネーメーカー効果」と呼ばれました。名字が「お金を作る人」なのは、できすぎた偶然です [C18]




