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段階2

なぜその手なら開いていいの? 勝率と後ろの人数で何が変わるの?

下の文章と同じ内容を、音声と絵で説明しています(字幕つき・2分41秒)。ナレーション:VOICEVOX:四国めたん

早見表や覚えやすい5つの決まりが「なぜそうなるのか」をまとめたページです。理屈が分かると、表に無い場面でも判断しやすくなります。

強い手はペア・高いカード・スーテッド・つながり。後ろが少ないほど広く開ける

勝ちやすい手ほど、払った参加料を取り戻せる見込みが大きくなります。答えは次のとおりです。

答えの図:強い手はペア・高いカード・スーテッド(同じマーク)・つながり。後ろに残る人が少ないほど広く開ける(後ろが少ない+フロップから最後に動ける)。後ろ1人(SB)だけは例外で、フロップから先に動くので BTN ほど広げない

何を覚えればいいの? 丸暗記でいいの?

覚える基準:強い順に「ペア」「高いカード」「スーテッド」「つながり」/相手が増えるほど、どの手も勝ちにくい/後ろが少ない+最後に動ける=広く開ける/SB は最後に動けないので広げすぎない

基本は丸暗記でいい です。

  1. 強い順に「ペア」「高いカード」「スーテッド」「つながり」
  2. 相手が増えるほど、どの手も勝ちにくくなる。だから人が多い所では強い手だけ
  3. 後ろが少ない+最後に動ける = 広く開ける。SB は「最後に動けない」ので広げすぎない
  4. 理屈を知ったうえで、表(80点版)を覚える

読みたい人向け:なぜこの基準なの? 出典は?

勝率の表(ランダムな手札の相手と最後まで勝負):AA 1人相手 85.4%・5人相手 49.1%、22 50.5%・15.8%、AKs 67.1%・31.4%、AJo 63.6%・23.9%、72o(最弱と言われるハンド)34.9%・8.5%

この節の勝率は、ランダムな手札の相手とプリフロップで最後まで勝負した場合の勝率です [S13](1人の相手/5人の相手。引き分けは半分勝ちとして数えています。1人相手は各6万回・5人相手は各2万回の試行で、誤差はおよそ±0.5ポイント以内)。

1. ペアは強い、高いカードは強い

ハンド 1人相手 5人相手
AA 85.4% 49.1%
KK 82.4% 42.6%
TT 74.9% 30.1%
77 66.2% 21.9%
22 50.5% 15.8%
AKs 67.1% 31.4%
AJo 63.6% 23.9%
K9o 57.8% 19.1%
72o(最弱と言われるハンド) 34.9% 8.5%
  • ペアは、小さくても1人相手なら約5割(22)。大きいほど上がり、AA は約85%
  • 同じ「Aを持つ」でも、もう1枚が高いほど強い(AKs 67% > AJo 64% > A2o 55%)
  • ただし相手が5人に増えると、どのハンドも勝率は大きく下がる。AA でも約半分、22 は 16%

2. スーテッドとコネクター(つながり)

ハンド 1人相手 5人相手
AKs 67.1% 31.4%
AKo 65.3% 28.3%
T9s 54.3% 22.5%
T9o 51.4% 18.9%
76s(つながったスーテッド) 45.5% 17.7%
72o 34.9% 8.5%
  • スーテッドは同じ数字のオフスートより、約2〜4ポイント強い(T9s と T9o:1人相手で +2.9、5人相手で +3.6。AKs と AKo は +1.8、+3.1)。同じスートが揃うフラッシュの分
  • つながっている(コネクター)と、ストレートの形になれるぶん強い。76s は 72o より約 10 ポイント高い
  • 高いカードどうしでなくても、スーテッドのコネクターは広いポジションで開く価値がある、という表の作りの理由はここにある

3. ひとつの目安:公平な取り分

公平な取り分の図:6人で全員が同じ強さなら取り分は 1/6=16.7%。5人相手の勝率がこれより上なら平均より強い。54s(16.1%)は後ろ3人から、A2o(16.9%)は後ろ2人でだけ開く。72o(8.5%)・94o(10.5%)は、はるかに下で後ろが何人でも開かない

6人で全員が同じ強さなら取り分は 16.7%。これを上回れば「平均より強い」と言えます。

  • 22(15.8%)もこの線のあたりだが、表では後ろ5人以下なら開く([S14] の6人卓の表はすべて 22+)。後ろ6人以上(9人卓の前のほう、[S14] の10.6%の表)は 77+ なので開かない。この勝率は「最後まで降りずに勝負した」場合の目安なので、表の判断と1つずつ一致するわけではない(下の「目安」の注意と同じ)

これは「目安」です。実際の相手はランダムではなく、強いハンドで返してくるため、本来の判断は表のようにもっと細かくなります。

4. なぜ後ろに残る人が少ないほど広く開けるのか

① 後ろに残る人数が少ない。 自分がレイズしたあと、まだ手札を見ていない人が後ろに残っています。その誰かが強いハンド(TT以上のペア、AQs以上、AKo。全50通り=1人あたり約3.8%)を持っている確率は、人数に応じて次のとおり(独立として近似した計算)。

後ろに残る人数ごとに、誰かが強いハンドを持つ確率の表:5人(UTG)約17.5%、4人(HJ)約14.3%、3人(CO)約10.9%、2人(BTN)約7.4%、1人(SB)約3.8%。強いハンド=TT以上・AQs以上・AKo(1人あたり約3.8%)。独立として近似した計算

後ろに残る人が多いほど、強い相手に当たりやすい。だから、後ろに多く残っているときは強いハンドだけで入ります。9人卓なら後ろに6〜8人残る場面もあり、さらに当たりやすくなります(この教材の表は後ろ5人まで。それより多いときも後ろ5人の表で、広げないようにします)。なお、この「後ろに残る人数」の考え方は、日本で紹介されているレンジ表の色分けでも同じ理屈で使われています [S11]。

② 最後に動ける有利さ(ポジション)。 フロップ以降は、ボタン(BTN)に近いほど後に動けます(後ろの人数が少ないほど、おおむね後に動けます)。相手の動きを見てから決められるので、同じハンドでも価値が上がります。これは多くの入門書が述べる一般論で、この教材では数字では示していません。

③ 後ろ1人(SB)だけは例外。 後ろに残るのが BB の1人だけですが、フロップ以降は先に動くので、②の有利さがありません。だから後ろ1人は後ろ2人(BTN)ほど広げず、後ろ3人(CO)と同じ程度(80点版)から始めます。なお、上級者は後ろ1人からもっと広く開きます(100点版の後ろ1人は 33.0%)。

コラム|六人の卓で勝った AI の「学費」

2019年、Facebook の AI 研究所とカーネギーメロン大学の AI「Pluribus(プルリブス)」が、6人で打つノーリミット・ホールデムでプロに勝ち越しました。Pluribus は自分自身と打ち合って基本の戦略を作っていて、その計算にかかったのは8日、いまの相場で約144ドル分だった、と伝えられます。人間の学費は、このページを読む時間だけで済みます [C11]

出典

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